(2021.09)図書館司書 人物試験対策(2)【Youtube採録2】

 この内容は、YouTubeで公開済みの動画「公務員 人物試験(面接)対策!」の採録です。

前回分 【Youtube採録】図書館司書 人物試験対策(1) 


(1)情報収集

まずは、情報取集です。どういうところに興味を持ったのかをまとめます。
これは、試験を受ける前にいつでもできます。まとめを作ってみるつもりでやってみましょう。

まずは図書館の要覧や基本計画、統計などを確認して、図書館のいまと今後の計画などの見通しを確認します。ここでやりたい施策があれば、それを確認します。

次に、図書館協議会があれば、審議記録を見ます。この図書館協議会は、必ず置かれているわけではないのですが、司書を募集する自治体の多くでは置かれていると思います。そこから、図書館の課題を見ることもできます。

また、県庁や市役所の教育計画を見ておくと、図書館にかかわるところがあるかもしれません。こちらも要チェックです。


次に、業界全体の情報収集についてです。最近は、どこでもインターネットでの広報に力を入れています。各公式ホームページをよく見ておきましょう。筆記試験にも役立つと思います。


業界全体のことは、文部科学省やカレントアウェアネス、日本図書館協会のホームページを見てみましょう。全国図書館大会では、最近の課題が取り上げられるので、確認しておくといいと思います。

・文部科学省 図書館の振興 https://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/tosho/index.htm
・文部科学白書 https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/monbu.htm
・カレントアウェアネス・ポータル https://current.ndl.go.jp/
・日本図書館協会 https://www.jla.or.jp/default.aspx

・全国図書館大会(近年の発表には、図書館界の課題が取り上げられている)

大学系
・国公私立大学図書館協力委員会 https://julib.jp/
・国立大学図書館協会 https://www.janul.jp/ja
・公立大学協会図書館協議会 http://www.japul.org/
・私立大学図書館協会 https://www.jaspul.org/

研究会(一例)
・図書館問題研究会 http://tomonken.sakura.ne.jp/tomonken/
・大学図書館研究会 https://www.daitoken.com/
・学校図書館問題研究会 http://gakutoken.net/

また、大学では、業界を知るために図書館協会のホームページを紹介しました。大きなビジョンや、求める人材像、人材育成などについて詳しく書かれているので、ぜひ見ておきましょう。最後に、研究会を紹介しました。図書館の現場の職員が、雑誌を出したり研究会を開いたりしています。現場からの課題の共有がされているので、ぜひのぞいてみてください。


(2)自己分析

つぎに、自己分析です。

Step1 やりたいことのピックアップ

職種ごとに、自分が公務員になってやりたいことを書き出していきます。自分という一人の人間が考えているので、興味が似通ってくるのは当たり前です。レファレンスと企画系の仕事がやりたい、のように、絞り込んでみましょう。そうすると、軸が見えてきます。


Step2 過去を振り返ってエピソードをピックアップ(自分史をつくる)

まずは大学生活をまとめてみましょう。社会人経験があれば、その経験も書いていきます。そのあと、大学生活より前のことも思い出して書き出します。

まとめるときに、自分の経験を整理して、具体化することに気を付けましょう。プラスな思い出と、苦労や失敗談を分けて書いてみると、これまでの経験が整理しやすいと思います。とにかく書いてみることが肝心です。


作っていく上では、就活サイトの性格診断や他己分析で、自分の性格を客観的に測ってみましょう。そして、その性格に当てはまるエピソードを思い出してみて、付け加えていくと良いです。

プラスな思い出は、その動機や経緯を詳しく書いておきましょう。
失敗談は、できるだけ、改善したり、プラスに繋げたことを書いてみましょう。
ここまでが自己分析です。もし難しいなと感じられたら、例えば、自己分析用の書籍を購入したり、友達や親、きょうだいなどに自分のエピソードを訊いてみると、意外な答えがあるかもしれません。



部活動などのエピソードをどう掘り下げるか、悩むかたもいらっしゃると思います。書く内容を掘り下げるにあたっては、例えば1年生から学年が上がるごとのの役割の違いを見て、時間の経過ごとに思い出しましょう。たとえば、ダンス部で、1年生の時は練習についていけなかったけど、自主練習を重ねた。そして、2年生では、その練習の成果が実ると思いきや、メンバーに選ばれることができなかった。そして3年生になったときに、メンバーをまとめるために、交流会を実施できた。

このように、学年が上がるにつれて役割は変わってくることがあるでしょう。その時の思い出を、できるだけ詳しく思い出しましょう。挫折経験から行動を変えたことがあれば、それも思い出してメモしておきます。そして、自分をまっすぐに表現すれば、自分を伝えることができます。

Step3 作成したものから自分のアピールポイントを分析する


さて、次のステップです。作ったものから、自分のアピールポイントを分析して、一言に表してみます。これが、自己PRでとても重要になります。
また、苦労した出来事から、短所を見つけることもできるでしょう。例えば、新しいアイデアを思い付いた反面には、慎重すぎる面があるということになります。例を読んでみて、自分なりにまとめてみてください。

Step4 仕事と結び付ける



仕事と結び付ける段階です。自分のアピールポイント、求める人材像と、仕事の共通項を結び付けましょう。
そして、それぞれの興味がある業務と結び付けてみます。例えば、県立図書館で興味がある仕事が、図書館協力だとすると、問題解決能力や、新しいアイデアを提案して実現できるという自己PRが生かせそうです。
このように、なんとなく思いついた性格や特徴を書くのではなく、過去の経験を洗い出しておくと、志望先ごとに、事実をもとに違った自己PRを見つけることができます。

(3)志望動機、自己PRなどの想定問答を作成する

いよいよ、志望動機や自己PRなどの想定問答を作っていきましょう。
志望先によって志望動機が変わってくるのが悩ましいというかたもいらっしゃると思います。そこで、次のように考えてみましょう。まず、なぜ行政職ではなく司書を選んだのか。
次に、司書を選んだ後に、ほかの受験先ではなく、志望先の特徴は何なのかを軸に考えてみましょう。分岐点で、なぜ受験先を選択したのかをまとめると、志望動機を考える大きな一歩になります。


例えば、地方公務員のある県庁を目指すときの志望動機の分析です。



また、大学を志望する場合は、こうなります。



このように、それぞれの分かれ目で志望動機が変わってきます。これまでの情報収集や自己分析で集めてきた情報を頼りに、まとめてみましょう。

ここまでを入念に行っておくと、想定問答を作ることができるようになります。いつからいつまで、なぜ、何を目標にしたかなど、その時々の自分の在り方を振り返って、アピールできることを増やしましょう。
あとから加工しやすいように、データにまとめたりルーズリーフを活用するのもおすすめです。私は、グーグルドキュメントを使っていました。スマホからも使えるので、思いついたときに追記するようにしていました。

まず、志望動機です。志望動機は、なぜ司書を目指したのかを説明するものです。自分の価値観や仕事を考える際のこだわりをもとに分析しましょう。職務に対する積極性や、職務への理解、仕事をすることで何をしたいのか、を中心に考えてみましょう。


次に、自己PRです。自己PRは、自分のセールスポイントを売り込んで、志望先に、あなたを雇うことがメリットであると納得してもらうものです。
このときに、まずは長所や強み、自分がやってきたことを考えます。それをもとに、アピールしたいことを選びます。志望先の求める人材像も参考にしましょう。
例えば、最初の情報収集で作ったシートを見ると、問題解決能力や、コミュニケーションがキーワードになりそうです。
そして、経験を通して成長したことや、それをどう仕事に生かしていくかを考えましょう。今までの例で自己PRを作ってみると、こうなります。


文章をブラッシュアップするときに、内容が少し変わってくることがあります。自分の新たな一面を発見したと思って、考えていく上での変化も見てみると、面白いです。
先ほど示した、「面接の深掘りポイント」を参考に、想定問答を考えましょう。

よくある質問をもうひとつ挙げると、失敗したり、挫折したりした経験です。失敗から学ぶことで、改善したり成長したりできるので、この質問はよく聞かれます。

答えにくいと思ってしまいますが、この質問は、失敗した経験だけでなく、そこからどのように学んで克服したかを問われています。前向きな答え方をしましょう。
答えを作るうえでは、なぜ失敗したのかを分析します。
次に、失敗から学んだことや改善したことを思い出してみましょう。
そして、失敗をどう乗り越えたのか、それはどう仕事に生かせるのかも考えておきましょう。

このほか、よくある質問(一般的なこと)

  • 学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)
  • 専攻した分野
  • 最近関心を持ったこと(ニュース)はありますか?
  • サークルや部活など、人と一緒に活動する経験はありましたか?
  • 休日の過ごし方は?
  • 趣味 特技
  • どんな性格ですか?
  • 周囲からはどのような人だといわれますか? なぜそういわれると思いますか?
  • 自分のどんなところが司書に向いていると思いますか?
  • 異動や出向がありますが大丈夫ですか?
  • 上司と意見が食い違ったらどうしますか?
  • 上司や同僚と上手にやっていくには何が大切だと思いますか? なぜそう思うのですか?
  • 好きな言葉は何ですか?
  • ほかの自治体は受けていますか?
  • ストレス解消法は何ですか? その頻度は? 始めたきっかけは?
  • ずいぶん遠くから受けに来られているようですが、採用されたら引っ越してこられるんですか?
  • 親御さんへは●●市を受けることについて相談はしましたか?
  • ●●市を受けることについて何とおっしゃっていますか?
  • ●●市を(●●図書館)をPRしてください!

司書に関する質問

  • なぜ公務員[司書]を目指したのですか?
  • いつから公務員[司書]になりたかったのですか?
  • なぜ行政職じゃなく司書なんですか?
  • なぜ地元ではないんですか?
  • 司書資格はどうやって取っていますか?
  • 司書資格が取れる大学に行かなかったのはなぜですか?[通信/司書課程で取っている場合]
  • やりたい仕事は何ですか?
  • やりたい仕事の課題は何だと思いますか?
  • 図書館の業務で重要なことは何だと思いますか?
  • 他に業務内容について知っていることはありますか?
  • あなたにとって図書館とはどんな場所ですか?
  • あなたの住んでいる自治体の図書館はどういう場所ですか?

(4)面接カードを書く

ここまで来たら、面接カードを書いていきます。全体として、あなたの人柄が見えるように書けるといいと思います。スペースの大きさでエピソードの長さを調節したり、文字のバランスを考えることに気を付けましょう。また、基本的には「です」「ます」で書きます。さらに、誤字脱字は必ず、ないように気を付けてください。

(5)受け答えの練習

大学のキャリアセンターや地域のハローワークなどで面接練習をしてもらいましょう。練習の時に了解をもらって、録音をしておいて、あとで聞きなおすのもおすすめです。最後に、実際の試験を受けた時の振り返りはとても大切です。反復して、練習しましょう。

司書の採用枠は非常に少なく、狭き門です。この動画が受験にあたって役に立てば幸いです。
ご意見や感想、ご要望は、概要欄のリンク先からお送りいただけると、助かります。
ご視聴ありがとうございました。



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