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(2021.09)司書採用試験のために使っていた参考書

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2021/09/14 初版を公開 2021/09/21 専門試験情報を追記 司書を目指すために受ける公務員試験で、一部の自治体を除いて避けては通れないのが教養試験・専門試験です。 図:公務員試験の流れ(多くのパターン) 年度によって異なりますが、専門職の試験とあって、倍率はかなり高くなります。 この埼玉県の倍率はまだ低いほうで、若干名の募集に50名、100名の受験者が集まる自治体が多いです。 面接の倍率にめまいがしてしまいそうになりますが、1次試験を突破できないと合格に届かないのが現実。でも、1次試験については、しっかりと対策をすれば合格は難しくありません。企業に勤めながら独学で試験勉強をした私がやっていた勉強方法をご紹介します。 私の勉強スタイル (前提)前職の労働条件 ・平日: 9時~19時まで仕事、残業月20h ・休日: 完全週休二日制といいながらそんなことはなかった…… ・通勤: 電車 こんな状況なので勉強時間をひねり出すために、スキマ時間を活用しました。 朝の電車と夕方の電車は勉強時間。昼食、食堂でこっそりと参考書を開く。仕事がない日は1日6~8時間は机に向かって問題集(下記参照)を解く、などなど。 このスタイルを1年ほど続けながら、司書の試験本番に向けて対策を続けました。 教養試験では、多肢選択式で繰り返し解いて、解けるようになるまでやりました。 専門試験では、多肢選択式で解けるようになることに加えて、記述式で答えられるように問題を自分で作って、それを書いて答えられるか検証していました。 使用した参考書(教養試験) 教養試験は、まんべんなく各科目から出題されるので、かなり勉強範囲は広いです。 大卒程度の公務員試験を勉強しておけば、各試験では対応できます。 自治体によっては大卒ではなく短大卒区分で司書を募集しているところもあり、その場合は問題は少し易しくなります。参考になさってください。 人文科学 ・『新・スーパー過去問ゼミ』(実務教育出版) 定番の問題集です。 ただ、歴史分野(特に世界史)は全体像の理解が難しく、以下のように高校歴史の参考書も使いました。 ※人文科学 世界史・日本史 ⇒『 世界の歴史 』『 日本史A 』(ともに山川出版社)を図書館で借り、ざっくり読む ⇒それでも世界史は理解に及ばず『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書

図書館司書 面接試験の実例(国立大学)

これまで、複数の試験を受けてきました。 そのうち、記録を残している面接の実例を共有します。司書職の採用試験は情報が少ないと思うので、少しでも試験対策にお役に立てばと思います。 国立大学法人 図書系 面接の状況 個人面接 面接官 5名 時間 25分 事前提出資料:履歴書(大学指定様式) 試験の流れ:1次試験→2次試験(筆記)→2次試験(面接1回) 訊かれた内容 一般的な質問 ここまでの交通手段を教えてください。 緊張していますか? 志望動機を教えてください。 自己PRをお願いします。 自分のこれまでの経験について 大学のころ、サークルに入っていましたか? →自分からリーダーになるタイプですか、それとも人についていくほうですか? これまで、苦手な人とどう接してきましたか? (資格欄を見て)英語はどれくらいできますか? 図書館について ラーニングコモンズにはどのようなメリットがあると思いますか? オープンアクセスにはどんなメリットがあると思いますか? 希望の仕事はありますか? 利用者サービスの場面では、どんなことを大切にして仕事に取り組みたいと思いますか? ホームページは見ましたか? 印象に残った発信があったら教えてください。 社会人ならではの質問 なぜ、転職するのですか? 仕事上で失敗したことはありますか? →それを、どのようにリカバリーしましたか? 今の職場で得たスキルは、うちではどのように活用できますか? 併願状況 併願状況を教えてください。 →ここの志望順位は何番目ですか? →遠方から受験されていますが、そのなかでこの試験区を選んだ理由を教えてください。 →不合格だったらどうしますか? 解説 最初、導入はやさしい(緊張をほぐす)質問→志望動機、志望動機から内容に入る、というような感じでした。 奇をてらった質問は少ないですが、業界に踏み込んだ質問(例:ラーニングコモンズについて)もあり、簡単ではありません。インターネットで政府の白書や公開情報などを手軽に手に入れることができますので、文科省のHPは要チェック。 参考 大学図書館の整備について(審議のまとめ)-変革する大学にあって求められる大学図書館像- 平成22年12月 科学技術・学術審議会 学術分科会 研究環境基盤部会 学術情報基盤作業部会 https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/

近畿大学 図書館司書コース(情報資源組織論)

近畿大学図書館司書コースの科目終末試験の原稿をフォルダの奥底から発見しました。 いくつか、抜粋して紹介します。 情報資源組織論 1.情報資源組織の目的と意義について説明せよ。  情報資源組織の目的は、情報を検索可能な状態にすることであり、図書館においてはサービスの基盤を形成する点で意義を有する。  図書館のように多くの資料を有する場所において自身の求める資料を見つけ出すことは困難を極める。さらに、近年の情報化社会の進展に伴い、大量の情報が氾濫している社会においては、この困難の改善は喫緊の課題である。また、求める資料が検索できなければ図書館は機能せず、基本的なサービスも展開できない。  以上より、大量に蓄積されている情報に秩序や構成を与えることで求める情報を検索可能にするものである情報資源組織は、図書館にとって根本的・本質的な意義を有するといえる。    2.図書館サービスという枠組みにおいて、サービスとしての情報資源組織がどのように位置づけられているかについて、他のサービスの事例をとりあげながら説明せよ。  情報資源組織自体を、利用者が資料を検索できる状態にするためのサービスととらえると、技術的・間接的なサービスとして「テクニカルサービス」や「間接サービス」の一つと位置付けられる。(以下、サービス事例…) 一方で、閲覧サービス、貸出サービス、レファレンスサービスなどは、利用者に対して直接的なサービスとして、「利用者サービス」や「直接サービス」と呼ばれている。 (以下、サービス事例…) 3)図書館における検索の種類を2つあげて、それぞれの内容について例を用いながら説明せよ。   図書館における検索は、①既知資料の検索と、②未知資料の検索に大別しうる。  既知資料検索とは、求める資料が既知のものである場合に、当該資料が図書館に所蔵されているか否かを確認する際に行われる検索のことである。例えば、夏目漱石の『坊っちゃん』という特定の本を検索する場合が該当する。アクセスポイントとしては、タイトルや著者が採用される。   一方、未知資料検索とは、求める資料が未知のもので特定されていない場合に行われる検索のことで、著作に関する検索と主題検索に分類できる。   著作に関する検索とは、ある著者の何らかの資料を求めて行う検索のことである。夏目漱石の著した何らかの本を読みたいと思って行う

【ブックレビュー】時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた。

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『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた。』 Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4865280456/ honto: https://honto.jp/netstore/pd-book_31193773.html 著者:和田靜香 取材協力:小川淳也 イラスト:伊野孝行 装幀:松田行正+杉本聖士 定価:本体1700円+税 四六判並製/280ページ 2021年8月31日 第一刷発行 978-4-86528-045-6 Twitterで長文レビューをしたところ、筆者のかたに届いて、まさかの直接リプライをいただきました。おそれおおくもアワアワしてしまった私は、コミュ障爆発で「この本を出してくださってありがとうございます。」という根本的なところにお礼申し上げるという(でも本質ですよね)事態に。(ほんとうにありがとうございました…!) メッセージいただきありがとうございます。そうです、名演説でした! 少しずつ読み進めるごとに、いまのモヤモヤや不安が代弁されて、また少しずつほぐれていくようです。この本を出してくださってありがとうございます。 — いなだ@図書ログ (@corner_of_lib) September 12, 2021 その勢いのまま仕事の合間に読み終え、今回思ったことを文章にぶつけました。えいやーっ! コロナ禍によって炙り出されたもの  「コロナ禍によって炙り出された○○」という言葉を、耳にタコができるくらい聞きまくっているこの1年半です。でも、「その炙り出された」○○って、ただこれまで、コロナ以前は「隠されていた」「見えなくされていた」だけなのではないか?  2020年2月。私は、友達と「なんだか新型肺炎が見つかったんだって」って、お酒を飲みながら居酒屋で話していました――それが、最後の飲み会になり、1年半以上、会えなくなるとは知らずに。当時、感染者が1桁出たら大騒ぎな世の中です。「まあでも、すぐに収まるでしょう」そんな楽観的な考えとは裏腹に、コロナはひたひたと、私たちの生活を蝕んでいきました。  この1年半は、私たちに政治が生活に直結していると、教え込まれた1年であるとも思います。マスク配布、10万円給付、GoToキャンペーン(トラベル、イート、イベント)、持続化給付金、文化芸術の支援、オリ

(2021.09)図書館司書 人物試験対策(2)【Youtube採録2】

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 この内容は、YouTubeで公開済みの動画「公務員 人物試験(面接)対策!」の採録です。 前回分  【Youtube採録】図書館司書 人物試験対策(1)  (1)情報収集 まずは、情報取集です。どういうところに興味を持ったのかをまとめます。 これは、試験を受ける前にいつでもできます。まとめを作ってみるつもりでやってみましょう。 まずは図書館の要覧や基本計画、統計などを確認して、図書館のいまと今後の計画などの見通しを確認します。ここでやりたい施策があれば、それを確認します。 次に、図書館協議会があれば、審議記録を見ます。この図書館協議会は、必ず置かれているわけではないのですが、司書を募集する自治体の多くでは置かれていると思います。そこから、図書館の課題を見ることもできます。 また、県庁や市役所の教育計画を見ておくと、図書館にかかわるところがあるかもしれません。こちらも要チェックです。 次に、業界全体の情報収集についてです。最近は、どこでもインターネットでの広報に力を入れています。各公式ホームページをよく見ておきましょう。筆記試験にも役立つと思います。 業界全体のことは、文部科学省やカレントアウェアネス、日本図書館協会のホームページを見てみましょう。全国図書館大会では、最近の課題が取り上げられるので、確認しておくといいと思います。 ・文部科学省 図書館の振興  https://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/tosho/index.htm ・文部科学白書  https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/monbu.htm ・カレントアウェアネス・ポータル  https://current.ndl.go.jp/ ・日本図書館協会  https://www.jla.or.jp/default.aspx ・全国図書館大会(近年の発表には、図書館界の課題が取り上げられている) 大学系 ・国公私立大学図書館協力委員会  https://julib.jp/ ・国立大学図書館協会  https://www.janul.jp/ja ・公立大学協会図書館協議会  http://www.japul.org/ ・私立大学図書館協会  https://www.jaspul.org/ 研究会(一例) ・図書館問題研究会

(2021.09)図書館司書 人物試験対策(1)【YouTube採録1】

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 この内容は、YouTubeで公開済みの動画「公務員 人物試験(面接)対策!」冒頭の抄録です。 司書職 人物試験の現況 司書の試験に対応した面接対策の方法をお届けします。 まず、司書を含む多くの公務員試験は、以下のようになっています。 1次試験           教養試験・専門試験[択一式/記述式]           (自治体によっては論文試験・事務適性検査・面接) 2次(3次)試験           集団討論・GW・面接[集団、個別] そして、この関門を潜り抜けて、最終合格者名簿に登載された人の中から、順位で採用が決まることになります。 例年、採用試験を行っている埼玉県立図書館の場合、司書は資格免許職という区分で採用されています。その試験結果を拝見すると、以下のようになっています。 1次受験者数 98人 1次合格者数 25人(1次受験者⇒1次合格者 3.92倍) 最終合格者数  8人(1次合格者⇒最終合格者 3.125倍/最終倍率12.3倍) ※動画では、この部分で誤った数字を記載しておりました。お詫び申し上げます。 (情報源:令和2年度の試験実施状況  https://www.pref.saitama.lg.jp/f1903/saiyou/r2saiyou/shikenjisshijoukyou.html ) それぞれ3倍以上の倍率があり、簡単ではない試験と言えると思います。 しかし、受験者=倍率(つまり採用人数は1人)という自治体は今でも少なくないです。なので、これから受験される方は、ある意味チャンスです。しっかり準備をすれば、合格することは難しくないと考えます。 面接の潮流:コンピテンシー評価型面接 最近の面接では、コンピテンシー評価型面接というのが流行っています。 どういうものかというと、受験者の過去の行動を振り返って、掘り下げることで公務員としての職務能力や適性を判断するんだそうです。 人物試験におけるコンピテンシーと「構造化」の導入 (人物試験技法研究会)  https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2394690/www.jinji.go.jp/saiyo/jhoukoku.pdf これは、人事院の資料ですが、全文をインターネットで読めます。 面接では、以下の6項目が主に判断材料となります。 課題

【公務員・司書職】ひとりで模擬面接 : 頻出111問!

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動画をアップしました! 面接対策の動画です。 公務員の中で、司書職を目指すかたのために模擬面接の動画を作りました。 対策にお役立てください! 【公務員・司書職】ひとりで模擬面接 : 頻出111問!     この動画を作るうえで、過去の面接記録やメモを見直していました。 なんだか、もう一回面接を受けたきになって、動画チェックの段階でちょっとクラクラしました(笑)

公務員試験 人物試験(面接)対策!

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動画をアップロードしました。 今回は、人物試験(面接)対策です。 いなだ流・面接対策術をまとめました! コンピテンシー評価型面接とは何か? 自己PRや志望動機を作るには?   などのポイントを解説します!!   公務員(司書) 人物試験対策! ご意見はTwitterのDMへ ⇒  https://twitter.com/corner_of_lib 質問箱 ⇒  https://peing.net/ja/corner_of_lib ----- 参考文献: 人物試験におけるコンピテンシーと「構造化」の導入 (人物試験技法研究会) https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2394690/www.jinji.go.jp/saiyo/jhoukoku.pdf 情報収集の方法 業界全体 ・文部科学省 図書館の振興  https://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/tosho/index.htm ・文部科学白書  https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/monbu.htm   ・カレントアウェアネス・ポータル  https://current.ndl.go.jp/ ・日本図書館協会  https://www.jla.or.jp/default.aspx ・全国図書館大会(近年の発表には、図書館界の課題が取り上げられている)  http://www.jla.or.jp/tabid/400/Default.aspx 大学系 ・国公私立大学図書館協力委員会  https://julib.jp/ ・国立大学図書館協会  https://www.janul.jp/ja ・公立大学協会図書館協議会  http://www.japul.org/ ・私立大学図書館協会  https://www.jaspul.org/ 職員の団体(一例) ・図書館問題研究会  http://tomonken.sakura.ne.jp/tomonken/ ・大学図書館研究会  https://www.daitoken.com/ ・学校図書館問題研究会  http://gakutoken.net/

02 図書館学:国立大学法人 過去問題解説(2019-2) 司書公務員試験

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図書館学の続きをアップしました! 今回は、国立大学法人の図書系試験問題の解説(第2弾)です。 2019年度の問題を解説しました!   02 図書館学:国立大学法人 過去問題解説(2019-2) 司書公務員試験

R2年度国立大学法人図書系採用試験の雑感

動画を作ろう作ろうと思って数か月、なかなか手を出せないために、とりあえずブログに着手しました。 撮影して編集して、音をつけて…と、Youtubeを趣味にしている人はそれだけで動画制作の専門職になれると思う。本当にすごいです。 さて、3月になり、世間は就活が解禁されました。 ということは司書受験クラスタにはお待ちかね、国立大学法人の図書系専門試験の昨年の問題が開示されました。 ちらっと問題みましたが、やはり専門試験を受けるためにそれなりの勉強しておかなきゃ、焦るくらいの難易度です。 あと図書館学というよりも大学図書館に関する比重が年々上がっているような気もします。 (R2年度図書系2次試験) No.1 欧米の図書館史 No.2 学術情報基盤実態調査に関する記述 No.3 国立国会図書館,国立情報学研究所、科学技術振興機構について,それぞれの機関が実施する事業を選ぶ No.4 【英文】ALA「図書館の原則」 No.5 NCR2018に関する記述 No.6 分類を答える問題(Twitterで解いてみました) No.7 学術雑誌と電子ジャーナルについて No.8 機関リポジトリに関する現況 No.9 【英文】Natureの研究データ管理 No.10 データベースに関する知識問題 No.11 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律 No.12 【英文】IFLAのブックレット No.13 図書館の評価 No.14 インパクトファクター No.15 情報技術に関する知識 No.16 【英文】サリ・フェルドマン氏の講演 研究データ、リポジトリ、障害者差別解消法、インパクトファクターなど、特に大学図書館の時事的なことが中心にいろいろと取り上げられているのが分かります。 正直、1次試験の勉強するだけでもキツいのに、そのあとにこの濃ゆい2次試験を1か月で勉強しようとするのは結構厳しい気がします。教養・専門ともに試験は前々から準備しておくにこしたことはないですね(マジで) 大学法人の試験は、生涯学習概論が出ない(?)かわりに、試験内容は一般的な図書館学とは一線を画しているように思います。 (専門試験の範囲:図書館学概論,図書館資料論,資料組織論,資料利用論,図書館管理論及び情報管理論) 2021年(令和3年)度関東甲信越地区国立大学法人等職員採用事務系(図書)第二次試験要項|東京大学

あけましておめでとうございます

遅くなってしまいましたが、明けましておめでとうございます。いなだです。 今年はもう少し更新頻度を上げていきたいです。よろしくお願いいたします。 2020年はコロナ禍で、なかなか出張がない珍しい年でした。 正確に言うと、出張の案内は来ていたのですが、どれも軒並み中止になったり、あるいはオンライン開催になったりと、大幅にオンラインへシフトした1年と言えるでしょうね。 実際、研修や会議によっては、「今までなんで会ってやってたんだろうね」というものもありました。しかし、顔を合わせてのグループワークができないと、「やっぱり会ってやらないとだめだよね」というものもあり。 今後は、「講義はオンラインで・演習はオフラインで」という流れが加速するかも?しれません。 移動の手間がなく、交通費を節約して資料費に充てられるぜ!! …という見方もできますが、館外のことをもっと知りたいというのもサガです。 動画のほうは、1本目を上げてから続きが作れていないのですが、1月中には完成させたい…つもり。 そんなわけで、今年ものんびりやっていきます! よろしくお願いいたします。

国立国会図書館の納本制度について説明せよ。

ブログ更新が滞ってしまいました…年末処理でバタバタです。 今年はコロナ禍でいろいろとイレギュラーでしたが、それでも定例業務はいつも通り動いているので、なんとなく差し迫ってきている感覚は変わりません(汗) 図書館を利用されるときは、手指消毒とこまめな手洗いをお願いします! さて、久しぶりの論述対策、今回は国立国会図書館。 公共図書館でも大学図書館でも、やはり切っても切れない関係にあるのが国立国会図書館です。納本制度で網羅的な資料収集をしている…ということは知っていても、論述で出るとちょっと焦ってしまうかも。ということで、過去のメモ書きからこの問題をチョイスしました。 国立国会図書館が行っている「納本制度」の概要と意義について説明せよ。解答には次の言葉を使用すること。【官庁出版物、民間出版物、代償金】 <解答>  まず、納本制度の概要について説明する。納本制度は、図書等の出版物をその国の責任ある公的機関に納入することを発行者等に義務づける制度のことである。日本では国立国会図書館法により定められており、国内で発行されたすべての出版物を国立国会図書館に納入することが義務付けられている。国・地方公共団体・法人などの機関が発行した官庁出版物は複数部数、官庁出版物以外の民間出版物は1部の納入が義務付けられている。民間出版物の発行者には対価として代償金が支払われている。  次に、納本制度の意義について述べる。納本制度は、日本国民および日本国内のあらゆる活動や業績の記録を収集・保存・蓄積すると同時に、広く海外の活動や記録もあつめ、これらの資料を国内のあらゆる人が利用できるようにするために必要な制度である。官庁出版物は、国政の審議や資料の国際交換に用いられる。また、民間出版物は国民共有の財産として、利用に供し、長く後世に伝えるために用いられる。 ----- 国立国会図書館の動向は、よく試験で問われます。覚えておきましょう! (更新…がんばっていきます) 

レファレンスインタビューの目的・内容・留意点(情報サービス論)

 年末です。 司走(しわす)……いえ、師走というくらいですから、やはりなんとなく年末はバタバタするものです。 なにしろ図書というモノを扱うゆえ、毎日重労働なのです。焦って図書を落とそうものなら大惨事、忙しいとはいえ慎重に毎日を送っていますです。 さて、ちょっと自分へのトレーニングもかねて、今日は新しい問題にチャレンジ。 東京都の過去問を引っ張り出してきてみました! ざざっとまとめてみましたが、いかがでしょうか? これが回答と限らないので、その点ご了承くださいませ。寒くなってきていますが、元気にやっていきたいものです・・・。 レファレンスインタビューの目的、内容及び留意点について説明せよ。(平成30年度 東京都Ⅱ種・専門・司書) レファレンスインタビューの目的は、質問者が求めている質問内容を把握することである。利用者の質問には利用案内や特定の資料の案内など一問一答で終わるものもあれば、広範囲な調査が必要な質問に発展することもある。また、回答の内容を明確にすることも目的としてあげられる。求める資料の情報量、資料の形態や範囲を明らかにすることで、調査の方向性を決定することができる。 レファレンスインタビューの内容は、「質問者が求める資料の主題とレベルの把握(入門的資料か、専門的資料か)」、「これまで質問者自身で行った調査内容」、「求める資料の種類(図書か、雑誌も含むか)」、「必要な範囲と量」、のそれぞれを聞き出すことである。利用者のこれまでの資料探索行動から、調査対象を絞り込んでいくという過程が必要となる。 レファレンスインタビューの留意点としては、質問者の話を丁寧に聞くということがある。このことで、質問者が持っている情報を聞き出すことができ、既知の情報や資料を重複して提供することを少なくすることができる。また、利用者にとって質問しやすい体制を整備しておくことが大切である。レファレンスツールの整備やコレクションの構築など、資料面の配慮だけでなく、日頃からのレファレンスサービスのPRをすることや、職員のあいさつや声掛けなど基本的な接遇の向上など、ソフト面での配慮も必要と言える。 参考文献 毛利和弘,2012,『情報サービス論』,近畿大学 日本図書館協会用語委員会,2015,『図書館用語集 四訂版』,公益財団法人日本図書館協会 『2010年度JLA中堅職員ステップアップ研修(

市立の図書館と学校図書館の連携(児童サービス論)

寒い! コートが手放せない時期がやってきました。 来週には寒気がやってくるそうで…冬本番な状況です。 さて、就職の状況が見こせないなかでの公務員試験の勉強は、職種に限らず不安なことと思います。いまが12月ですから、地方上級まであと半年といったところでしょうか。 特に図書館は採用枠がかなり少ないです。若干名に何とか滑り込まないといけません。その一助となるよう、このブログを引き続き運営していきます。 さて、今日の問題はこちら。近大司書課程・児童サービス論の類題です! 公共図書館が学校と協力して行うサービスにはどのようなものが考えられるか説明せよ。 図書館法の第3条には、「学校図書館と緊密に連絡し、協力し、図書館資料の相互貸借を行う」、「学校等と緊密に連携する」ことが図書館奉仕として明記されている。具体的な活動としては、(1)児童・生徒・教員の調べ学習の援助、(2)資料の団体貸出、(3)図書館訪問・学校訪問を行うことがある。学校に資料を貸し出して提供し、また地域の学校に図書館員が訪問し、あるいは学校(児童・生徒)の訪問を受け入れてサービスを提供することで、公共図書館を知ってもらうきっかけになる。また、これらにより教員とも連携をとることができる。図書館サービスと教育課程とを連携させることで、地域の学校教育の充実を図ることができることも、効果のひとつとして考えられる。
今日も、児童サービス論の論述対策(っぽい過去の文章の垂れ流し)です。 児童サービスは自分が(かなり大昔に)受けてきたサービスのはずなのに、忘れてしまいますよね。 今から思えば、↓のような意義があるサービスなのかもしれないけれど……、司書課程を学ぶ身になるまで意識したことがなかった。 ①児童サービス(児童奉仕)とはどのようなサービスであるのかを説明せよ。 ②特に公共図書館の児童サービスがもたらすと考えられる将来的な効果について、児童に対する効果と社会的な効果の両面から述べよ。   ①児童サービスは、図書館が、子供を対象として行う仕事の全般を指す言葉である。それは、子どもが読書をすることの意義を認め、子どもの読書を広げるために行われる活動や工夫、配慮、情報入手の支援、さらには環境づくりや条件整備など様々なことを含意する。図書館サービスを行うためには、施設、資料、人、活動、予算が必要であるといわれるが、子どもに対しては、この中で特に「活動」を重視する。 ②児童サービスがもたらす将来的な効果のひとつは、子どもに読書の喜びや、新しいことを知る面白さ、想像の楽しみを提供できることである。また、子どもとその保護者が効果的に図書館を活用できるようサポートすることも、児童サービスの枠の中で行えることである。さらに、子どもは読書によって言葉(活字)に触れ始めるため、子どもが活字文化に触れる機会となる。 いっぽう、別の側面では、子どもの公共性の理解に寄与するという点が挙げられる。子どもは、自分が通う図書館において、老若男女、障害のある人や在留している外国人など、さまざまな人が図書館を利用する様子を見ることになる。子どもは、このように多数の人々が利用する図書館の様子を見て、実際に利用することで、公共の場におけるたしなみを理解していく。 このように、自治体が公費を投入して公共図書館を運営することには、子どもに対してはその発達や成長に寄与するところが大きい。児童サービスを行うことは以上のような効果があり、さまざまな面で公益にかなう。よって、将来のよりよい社会の構築に役立つといえるのである。 (注:子ども と 子供 が混ざっちゃってますね。こういうのはもう少し気にして校正しないとですね。試験本番なら)